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グループわ 初代委員長・福原克巳さん を囲んで


グループわ 初代委員長 福原克巳氏

聞き手 水町理事長、大槻副理事長、米増、藤田、安部、岸野、才上、浜田 各理事

(まとめ 浜田)

 

「再び学んで他のために」

みなさん、この建学の精神はよく耳にするので、KSC建学当初からあったと思われているでしょうが、実はそうではありません。今は亡き当時の今井学長が作られたのでもない。2期生は入学当初から「再び学んで他のために」という言葉を聞いていたということなので、1期生が1年の時に言われ始めたようです。誰が作られたのか、ルーツを探ったがもう一つはっきりしないのが残念です。神戸市のしあわせの村条例に、「シルバーカレッジでは高齢者に学習及び実践活動の場を提供する」とあり、KSC設立趣旨では「学びの喜び」「時代の変化への対応」「伝統の心の継承」とある。このような考え方が素晴らしいキャッチフレーズになって、オーソライズされたのでしょう。 今井学長の思い出

 入学後の学長のお話で、「シルバーカレッジはいわゆる老人大学ではない。3年間学び、卒業して社会に出て、子ども見守り等々の地域貢献活動を実践できる人材を育成する、壮大な社会実験の場である。高齢化社会、高齢社会、超高齢社会と変化していく中で、これからの日本は高齢者が変わらなければいけない。」と言われ、いきなりショックを受けました。カレッジ生の中には、俺はそんなつもりで入学したのではないと反発する人もいましたね。 当時のカレッジ生

 カレッジに入学した人たちは3分類できるなと思っていました。最初からボランティア活動をしようと思って入った人は少数です。今もそうではないですか。 ①自治会等々でボランティア活動をしてきたが、さらに向上を目指す人たち   ②カルチャーセンター的な位置づけでとらえてクラブ活動にとりくむ人たち   ③会社勤め等で地域とのつながりがなく、一からスタートの人たち  このようなカレッジ生が新しい生き方を探り、新しい人との接し方を学び、シルバーカレッジに入学した価値を確かめ、活動するようになりました。 エピソード「入学試験」

 シルバーカレッジが開校したのは平成5年9月。このときは、募集440人に対して応募が740人と多かったので、入学試験がありました。国語の試験で「平家物語」「草枕」等の作品名とその中の有名なフレーズを結べという問題や、以下にあげられた野菜の内、緑黄色野菜はどれかといった問題、ボランティアをテーマにした小論文もあったと思います。試験で選ばれたので、間違えてエリート意識を持った人もいたかもしれないね。

当時の貴重な資料を手に

阪神淡路大震災発生

 当時は9月入学だったのですが、1期生が2年生になり、2期生も入学した平成7年1月17日、阪神淡路大震災発生。この後、10月までカレッジは自然休校。しあわせの村温泉が無料開放され、近隣カレッジ生の案内ボランティアが自然に始まりました。シルバーカレッジ校舎は救援物資の兵站基地になり、足の踏み場もない状態。この物資管理業務を手伝うボランティアも自然に始まりました。 グループわ 結成の経緯

 阪神淡路大震災の2年後、平成9年春に1期生は卒業したのですが、ボランティア活動がせっかく根付いてきているのに、卒業したら活動と縁が切れてしまう。これでよいのかという声が起こってきました。そこで、各コース・専攻から14名の代表を選び、合計5回の準備会開催。そして7月22日、グループわ が発足しました。  準備会ではいろんな議論が白熱しました。例えば、ボランティア活動の無償性の問題。活動参加しても交通費も何も補てんされないことがある。このようなときには500円の活動費を支給したらどうか?!そんなのはおかしい!!とかね。  当時、創業100周年を迎えた川崎重工業から神戸市に1億円の寄附があり、その利息を老人福祉に使うということで、〈わ〉に補助がもらえることになり、支給されることになりました。運もよかったね。 発足当初の思い出

 当初はいろいろと手探りで試行錯誤、頭でっかちの面もあったと思います。会員からは「組織を作ったのに、活動案内を何も言ってこないではないか!」とお叱りを受けたりもしましたが、ボランティア活動は自主的な活動で、自ら志願してニーズを探しに行く必要がある。 「百聞は一見に如かず」と言うが、ボランティア活動は「百考は一行に如かず」で実践が大事です。発足1年目の反省をふまえて、2年目には地域密着ということで区会をスタートさせ、また新たに地域ニーズに対応する福祉部会もスタートしました。「実践なき理論は空疎である。逆もまた真なり。」ということですね。 NPO法人への衣替え

 当時いろいろ議論がありました。正直言うと私は消極派だったんですが、当時の委員長の赤司さんが推進派で頑張ってくれた。法律に則った組織で行政からも認められ、社会的地位を高めて、よりしっかりした組織でよりよい活動を進めようというものです。今は会員数1,400名を超え、多くのグループによる多彩な活動に加え、動員力を誇れるまでになったと思います。 今後の〈わ〉に対して

 いろんな社会背景や阪神淡路大震災があったのですが、シルバーカレッジの建学精神「再び学んで他のために」のもとで、ボランティア活動が自然に体験でき、グループわ が自然に生まれ、今オフィシャルな組織に発展した。こういう組織、活動を作ったというのは素晴らしいことです。この建学の精神が、これからもカレッジ生の個々の中に生き続ければ言うことはありません。  組織と人との関係ですが、組織で人を縛るのではなく、人の個性や力を生かすやり方が大事だと思います。グループわ には、これからもこのゆるやかさを保ってほしいと思います。

残暑の一日、熱く、熱く、語っていただきました!

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